当院は、健康保険の胸部交感神経節切除術(K196-2)を行っており、
交感神経幹切断(遮断)術・クリップ術ではありません。
厚生労働省から交感神経幹切断(遮断)術・クリップ術は保険治療にはならないことが示されております。
一部医療機関では交感神経幹切断(遮断)術・クリップ術を健康保険と偽っていることろがあります。
既にそのような遮断術・クリップ術を受けた患者様は、医療機関から健康保険として支払った3割負担等の医療費の
返還を受け、改めて支払い金額を医療機関と協議しなければなりません。
両側同時に手術を受けた患者様の多くが該当します。手術を受けた医療機関と協議してください。
交感神経幹切断(遮断)術・クリップ術は保険治療ではないため、そのれらの手術により生じた代償性発汗は疾患ではなく合併症です。
健康保険で生じた合併症ではないため、健康保険では対処できないルールとなっています。
保険医療機関及び療養担当規則に基づく掲示事項
令和6年4月1日
当院は、保険医療機関であり、厚生労働大臣が定める施設基準等については、
関東信越厚生局へ以下のとおり届け出をしています。
入院基本料に関する事項
有床診療所7床 入院基本料6
当診療所には、常勤看護職員が1名以上勤務しています。
施設基準に関する届出事項
1. 初期入院加算
2. 超音波凝固切開装置等加算
3. 酸素の購入価格の届出
明細書の発行状況に関する事項
当院は、医療の透明化や患者への情報提供を積極的に推進していく観点から、領収書の発行の際に、診療報酬の項目別の明細書を無料で発行しております。
領収書の発行の際に、個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書は550円で発行しております。
個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書には、使用した薬剤の名称や行われた検査の名称が記載されるものですので、その点を御理解下さい。
保険外負担に関する事項
当院は、以下の事項について、その使用に応じた実費の負担をお願いしています。(消費税込)
病衣貸与代 330円
おむつ代(従量制) 110円
診断書 2,200円
身体障害診断書・意見 5,500円
死亡診断書、後遺症診断書 5500円
入院証明書(保険会社) 5500円
死体検案書 35000円
医療費領収書(再発行) 550円
死後処置料 7,700円
医科点数表第2章第10部手術の通則の5及び6に掲げる手術
当院の令和5年‘1月から12月)の胸腔鏡下胸部交感神経節切除術
(区分4)の手術件数は、260件です。
トピックス
多汗症の手術治療は、遮断(切断)術と
切除術の2種類があります。
当院の手術方法とT4遮断(切断)術の相違を
詳しく説明しました。
代償性発汗(副作用)にしっかり理解する(困らない)ために、
当院の多汗症教室をお受けください。
手術創2.5ミリ一箇所で行います。
当院では、日帰り手術(1日0泊)で行います。
当院の診察は予約制です。
お電話で予約下さい。
電話:03-5459-5062
連絡先
山本英博クリニック
150-0043
渋谷区道玄坂2-28-4 イモンビル 7階
TEL: 03-5459-5062
FAX: 03-5459-5064
地図
JR渋谷駅ハチ公口出口から道玄坂上がる。徒歩5分。
(1階美容室(Freeve)、8階たかのゆりビューティクリニック)
当院のポリシーは文末(このページの最終段落)に記載しています。
多汗症とは
多汗症の病態について
多汗症は、手のひらや顔・頭部・脇・足のうらの限局した部位に多量の発汗がみられる疾患です。
全身にたくさんの汗をかく「汗かき体質」とは異なります。
気持ちの持ち方や生活環境などは関係ありません。
多汗症の用語も誤って報道されたりすることが多く、混乱されて用いられております。
緊張・不安などのストレスから一時的に交感神経が狂って多汗症になることはありません。
特に、誤解があるのは多汗症は「身体異常の疾患」であり、「精神異常」が原因ではありません。
他のホームページの記述のようにう「悲しい時に涙が分泌されることと同じ」ではありません。
標準的な発汗とは異なり、病的な発汗が多汗症であり、「汗の失禁」と表現できます。
風邪をひいてもいないのに鼻水がたれる。
口元を閉じようとしても、唾液が漏れ出してくる。
おトイレを我慢していても失敗する等、
体の明確な機能の失調として多汗症は位置づけられます。
少し汗が多いというだけで多汗症ではありません。
幼少期から多汗により学業・日常生活に不具合をきたすため、
局所多汗症として平成8年4月から健康保険の治療ができるようになっております。
特に手のひらの多汗症は有病率が1%と多いにもかかわらず、
多汗症という病気があまり知られていないため放置されたままの患者が多くいます。
本人が病気と認識していなかったり、家族・友人に理解されず
困っている人が多くいるのが実際です。
3つの特徴
第一に発症する時期が小児期であり成人においても症状がつづきます。一般の小児疾患では
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歳ごろには病状が落ち着く疾患が多いにもかかわらず、局所多汗症は老年期まで終生に及びます。
第二には、常に発汗しているのではなく多汗と無汗の状態が交互にみられます。精神的緊張や体温変化(運動時・環境温度の上昇)をきっかけに多汗となることがしばしば見られます。
第三に左右同時に発汗することがあげられます。交感神経の別疾患でも多汗を来たす場合がありますが、その場合は片側に多汗がみられ左右差があります。
発汗する部位では手のひら・足のうら・脇の下・顔面・頭部の
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部位に多く、通常複数の部位に多汗がみられます。
重症度分類
手のひら多汗症はピーク時における発汗の程度で重症度分類されています。
グレード1 手のひらが濡れるぐらいに発汗するが拳を握っても汗が滴下しない。
グレード2 拳を握ると汗が滴下する状態。
グレード3 手のひらを開いていても汗が滴下します
グレード3の手のひらの発汗の様子
具体的な症状
具体的な症状として、学業では答案用紙が汗で破れ、鉛筆書きができなくなることから学業に支障がでます。体育では鉄棒・球技が難しくなります。フォークダンスなど他人と接触する行為は嫌いになります。日常生活においても握手やパソコンのキーボードの扱い・紙幣やレシートの受け渡しなどで不便が伴います。このため、たえずハンカチや手ぬぐいなどを持たなくてはなりません。
病因(原因)
手のひらの汗や顔面・頭部・脇の下・足の裏からの汗は、自律神経の一つである交感神経の活動によって誘導されます。発汗の中心的な役割をはたす交感神経節の機能も解明されてきました。
顔面・頭部の汗は頚部から第三肋骨までの交感神経節が関係しており、手のひらでは主に頚部から第六肋骨まで、脇の下では第三から第八肋骨まで、足の裏では腰部交感神経節とそれぞれ関連する神経節の領域が異なっています。
手のひらの局所多汗症は頚部から第六肋骨までの胸部交感神経節の働きが通常より強いため手のひらの発汗が多くなっていると考えられています。従って、交感神経節の活動を抑える作用を加えるとその領域の発汗が減弱します。このため、多汗症治療において交感神経節に直接アプローチし、発汗にかかわる交感神経節の働きを抑える処置を行なうのが
ETSです。
★ 痛みの問題
器具が細小であり、神経損傷の可能性自体が極めて少ないうえに、
傷が1カ所だけであるため創部痛は最小。
痛みのある平均日数は1.5 日でした。
その他の発生頻度の少ない合併症もありますが、部分遮断術では発生しておりませんので省略します。
類似表現には注意を
小生と同じ Autosuture製の2mm の胸腔鏡を使っている施設は他にもありますが、
当院の器具は外径が 2.45mm であり皮膚切開が 2-2.5mmの1カ所で手術が完結できる点です。
この場合、皮膚切開を 2mm で行えば裂傷が生じ術後にケロイドや手術瘢痕が発生しやすくなります。
また皮膚切開が何カ所であるかを確認する必要が有ります。
胸壁に 2 カ所と表現している施設がありますが、この場合片側の手術で2 カ所なのか両側の手術で 2 カ所なのかを確かめておく必要があります。
NTS scope guide では片側の手術で 1 カ所、両側の手術で 2 カ所であり実際に傷は 99.8%の人で完全に消失します。外径3.4mmのトロカールでは傷跡が残ります。
多汗症手術治療までの流れ
ホームぺージを良くお読み下さい。
多汗症に詳しくなって下さい
治療方法(手術以外の治療方法、手術治療とその副作用)
当クリニックの取り組みなど。
多汗症教室(説明会)に参加してください。
多汗症教室(説明会)に参加して頂くのに、電話予約をお願いします。
保険証を忘れずに持参してください。
・
説明会とは
2 時間程度、複数の方々と多汗症についての話や、手術以外の治療方法、
手術や手術の副作用など、詳しい話を聞いていただきます。
・説明会の後に、予約の順に個別の診察をおこないます。
個別の診察では、汗の状態の確認、相応しい治療についてのお話を行います。
個別の診察は、お一人様、10−15分程度の診察を行います。
予約の順が後の方はお待ち頂く事になります。ご了承下さい。
(予約の時点で、個別の診察の時間をお伝えしていますので、外に出て時間を使うなどしていただけます。)
多汗症手術までの準備
・手術当日までに、
血液検査
を行います。
・
40歳以上の方
は、手術当日までに
CT検査を行います。
・
禁煙
の必要があります。手術前、
1週間は必ず禁煙
してください。
・手術の前日の、
飲酒
は控えてください。
・手術を受ける側の脇の剃毛を行いますが、看護師が行います。ご自身で行わないでください。
多汗症手術当日の注意事項、準備
来院時刻は手術開始時刻ではありません。
お待ち頂く場合がありますが、あらかじめご了承下さい。
また、退院時刻も変動しますので、当日は一日空けておくようお願いします。
・
朝食について
来院時刻が12時までの場合‥‥朝食はとらないでください。
来院時刻が12時30分以降の場合‥‥来院5時間前までに朝食をとってください。
・
水分摂取について
来院1時間前までは、乳製品以外の水分を摂って頂けます。
最後1時間前の時点で、必ず500cc以上お飲みください。十分に飲んでいただく事が望ましいです。
それ以降は何も口にしないでください。
・
手術同意書について
必ず多汗症手術の同意書(署名・捺印の上)をお持ち下さい。
・必ず、保険証を持って来てください。
・未成年の方は、必ず印鑑をお持ち下さい。
・手術は全身麻酔で行います。手術当日、車での来院はおやめ下さい。
・手術の際に、コンタクトレンズをはずしていただきます。当日はメガネで来て頂くか、コンタクトの脱着の準備をしてください。
(術中、コンタクトレンズの移動によって失明した事例の報告があります。コンタクトで来られる方は、自身の責任で手術前に必ずはずしてください。)
・アクセサリーはずしていただく必要があります。大切なものはお持ちにならないで下さい。
・手術前に、お化粧を顔の下半分をお取りいただきます。お直しの準備があると良いでしょう。
・マニュキュアもはずしていただきます。
・足元は歩きやすい、楽な服装でお越し下さい。
・パジャマは不要です。クリニックでガウンをご用意いたしております。
多汗症手術後の注意事項
当日
家に帰られ、ゆっくりお休み下さい。
車の運転はおやめください。
喫煙はおやめください。喫煙により気道分泌物が増え、息苦しくなります。
飲酒はおやめ下さい。お食事に制限はありません。
シャワーはしていただけますが、傷口は絶対に濡らさないようにしてください
翌日から
・内服薬について
抗生剤(ファロム錠)は、必ず飲みきってください。
まれに抗生剤で、下痢になる方があります。症状がひどい方は、ご連絡下さい。
鎮痛剤(ボルタレン)は、痛みがある時は無理に休薬せず、飲んでください。
・傷口について
消毒等の通院はありません。
傷口はテープ固定されています.
1週間程度で自然とはがれます。早くに外れても、問題はありませんが、気になる場合、絆創膏などを使用するのも良いと思われます。
・シャワー・入浴について
手術後1日目から、全身のシャワーをしていただけます。
手術後3日目から、湯船に浸かっていただけます。
・学校、仕事、運動について
翌日から、通勤、通学していただけます。
脇をあげたり、しめたりする動作。息こらえをする楽器演奏や、力仕事・激しい運動は、1週間程度、控えていただくのが望ましいと思われますが、体調に合わせて活動していただくには、支障ないと思われます。
多汗症手術後の状態報告について
多汗症手術後10日前後で、手術後の状態を電話連絡してください。
手術後状態が落ち着いていても3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月のアンケートで状態を連絡してください。状態の把握に重要なデータです。個人ごとに術後の状態を管理しています。
追記:
自己紹介
1985年神戸大学医学部卒業後、同第二外科入局、1993年博士号取得、国立ガンセンター呼吸器外科にて研修の後、94年国立療養所兵庫中央病院呼吸器外科医長、1995年6月に神戸大学医学部第二外科教官として着任して以来低侵襲手術に取り組みました。局所多汗症の治療では教室及び兵庫病院・協和病院にて施行された胸部交感神経遮断術の全例に関係しました。
また、胸部交感神経遮断研究会では第4回の学会を岡田昌義教授の主宰時に学会事務局長として関与しました。胸部交感神経遮断術のさらなる普及を図るため、新大阪駅前のKYC(Kanehira-Yamamoto
Clinic 新大阪)にて非常勤医師として多汗症治療に関わっております。 2002年7月以降YKC(Yamamoto-Kanehira Clinic)を開業、2006年10月以降山本英博クリニックと改名し多汗症専門に診療を行っております。
経歴: 山本英博
昭和60年神戸大学医学部卒業(医師免許取得)
昭和60年神戸大学医学部第二外科講座に入局
昭和60年姫路循環器病センター・心臓血管外科(研修医)
昭和61年新日鉄広畑製作所病院・外科(研修医)
昭和63年神戸大学医学部第二外科(医員)
平成2年国立療養所兵庫中央病院・呼吸器外科(医員)
平成5年 国立癌センター呼吸器外科研修・学位取得
平成6年 国立療養所兵庫中央病院呼吸器外科医長
平成7年 神戸大学医学部第二外科講座助手
平成10年 日本呼吸器外科学会指導医取得
平成12年 Carl -Storz賞(日本内視鏡外科学会賞)
平成14年 神戸大学医学部第二外科講座講師
平成14年 山本・兼平クリニック 開業
(多汗症治療を専門として診療を行う)
平成18年 山本英博クリニックに名称変更
役員等の履歴
日本呼吸器外科学会評議員
日本内視鏡外科学会評議員
Kobe Endoscopic High Technology Conferenc世話人
Needlescopic surgery meeting 世話人
2006年10月11日 21:37:11 掲載開始
2023年3月1日更新
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